b)D5にはRGD配列は存在しないが、インテグリンを介した今までにない細胞接着活性を持つモチーフが存在した(図6)。またLKにはこの作用は認められなかった。この接着はRGDペプチドにて阻害された。以上のことは、HRDにはインテグリンに反応する新しい接着モチーフが存在することが示唆された。さらにペプチドを用いて、細胞接着活性をもつdomainを同定した(data not shown)。Fibroblastでは、P1、P2、P5、にその接着が認められた。これらはGHGHKのrepeatに相同性が認められた。さらにこれらの接着もr−HRDと同様、RGDペプチドにて阻害された。以上の事実から、HKaは“DISINTEGRJN”様の作用により、細胞接着抑制活性を示すと考えられた(6、7)。また興味あることにこの作用はglucosaminoglycanによりmodulationを受けた(8)。
(5)モノクロナール抗体(MAb)の作製およびその性質の分析について検討した。
今回さらに接触因子群の関与が、食生活の変化を含めた、種々の地域での疾病の特異性を広く検討する目的で、HKaの測定系の開発を試みた。まず精製したHKaをマウスに静脈注射したあと、Keller and Milsteinの方法により、モノクロナール抗体(MAb's)を作製した。表3に示したように、計15のクローンを得た。このうちHKaのDomain5を認識する抗体は、in vitroの実験により、HKaの細胞接着抑制作用を部分